AIチャットボット「Grok」の訓練に使用開始

2024-07-30  2024-07-30
イーロン・マスク氏のX(旧ツイッター)が、人工知能(AI)アシスタントの「Grok」のトレーニングにユーザーの投稿を利用する許可設定をデフォルトでオンにしていたことが判明したとForbesが報じた。「Grok」は、AIチャットボットでChatGPTのような対話型AIです。

Grokが学ぶもの

Grokのトレーニング(学習)にXの投稿を利用するのですから、それは様々な投稿を読み取ることになります。 日本は、諸外国と比較してXのユーザーが多いのでイメージが出来ると思いますが、Xには良くも悪くも様々すぎる投稿がなされています。 それを学ぶGrokは、正しい情報か偽情報かを判断する精度がきになるところだ。 ネット上にある情報の全ては、正しくなく偽情報を学んだAIは、果たしてユーザーが正しい情報を求めるニースに応えることが出来るだろうか。

トレーニングの対象となることを拒否出来る

自分の投稿をGrokのトレーニングに使用されたくないユーザーは、ウェブ版のXの画面左にある「設定とプライバシー」から「プライバシーと安全」を開き、 「データ共有とカスタマイズ」の配下に表示されるGrokのチェックボックスをクリックすれば、この設定を拒否することが可能だそうだ。 同サイトが報じた内容によると、ユーザーからの報告では、この設定メニューは7月25日頃に現れた模様で、モバイル版のXでは、この設定を無効にできないと指摘する声も上がっているそうだ。 Xは、26日にこの変更を認め、「すべてのユーザーは、自分の投稿がGrokのトレーニングに使用されるかどうかをコントロールできる」と発表した。 この設定を許可したユーザーは、Grokのトレーニングに自分の投稿を使用することを許可し、AIアシスタントを使用する際に生成されるインタラクションや入力、結果からもデータが取得される。

Grokユーザーは?

気になるGrokが利用できるユーザーのイメージだが、実はXのプレミアムユーザーに限定されている。 イーロン・マスク氏は、昨年3月にAIスタートアップのxAIを設立し、人工知能関連の取り組みを進めている。 XのAIアシスタントであるGrokは、イーロン・マスク氏がWoke(ウォーク)と呼んで批判するOpenAIの「ChatGPT」やグーグルの「Gemini」に対抗するプロダクトである。 イーロン・マスク氏は今年初めにGrokをオープンソース化し、一般ユーザーがそのソースコードを修正し、改良を加えられるようにした。 GrokはXの「プレミアム」および「プレミアムプラス」のユーザーが利用可能で、月額費用はそれぞれ、7ドル(日本では980円)と14ドル(同1960円)。

考察

ニュース記事に考察というのも、どの立場で言ってるのかと思いますが、イーロン・マスク氏のニュースで気になる記事がありましたので紹介します。 イーロン・マスク氏は、自社のXでカマラ・ハリス副大統領の偽動画を拡散したとして、米メディアが批判している。 偽情報の拡散を禁止するXの利用規約に自ら違反した可能性が指摘されている。 Xの規約は、「著しく改変・ 捏造された内容を含む投稿」は削除対象となるが、マスク氏の投稿は29日時点で削除されず、1億3000万回以上閲覧されたと報道されている。 この偽動画を投稿した元々のアカウントはこの動画を「パロディー」と説明しているが、マスク氏はそうした説明をせず動画を投稿したようだ。 ちなみにマスク氏は大統領選で共和党のトランプ前大統領を支持する方針を表明しており、民主党の候補指名獲得が確実なハリス氏をやゆする意図だったとみられても仕方ないと言える。 先進的な事業を展開するオーナーが、自社のメディアの規約違反や偽動画を拡散するというのは、問題視されても仕方ないと考える。 もう少し行儀良く丁寧な行動が求められるのではないか。 当サイトでは、AIに関する事情や世間の話題を取り上げていくカテゴリを設けている。 今回の事案は、AIの正確性を高めていきたいと研究者が日夜努めているなかで、企業のトップのあり方ひとつでAIの信頼性が損なわれることが無いように祈るばかりだ。