大阪万博へGO!AI搭載ミライの「人間洗濯機」で体験する、次世代入浴体験
目次1 お風呂が面倒」を変える、AIが導く新しい入浴体験と「全身洗濯機」1.1 ・・・[more]
2025-04-13
目次
食品工場における外観検査は、細かな異物を取り除くなど、目に大きな負担がかかる作業が多く存在します。加えて、食品は消費者に安全とおいしさを届ける必要があるため、品質管理は非常に重要な役割を担っています。
特に食品は個体差が大きく、これまではベテラン作業員の経験に基づいた判断に頼る場面が多くありました。しかし近年、AI技術の進化により、食品工場においても目視確認作業の置き換えが進みつつあります。
それでは、食品工場における具体的なAI導入事例を見ていきましょう。
株式会社やまやコミュニケーションズは、福岡県に本社を置く、辛子明太子をはじめとした食品の製造・販売と、「博多もつ鍋やまや」などの飲食店を運営する企業です。地元九州の食文化を大切にし、その魅力を発信することを使命としています。
しかしながら、目視検査を担う職人の高齢化や、ベトナム工場における人件費の高騰といった課題を受け、看板商品である辛子明太子の原料「たらこ」の選別工程にAI外観検査の導入を進めました。これにより、これまで熟練の職人が目視で行っていた異物検査やグレード判定といった作業のAIによる代替を目指しています。
辛子明太子の製造では、まず国内外の自社工場にて、スケソウダラの卵(原卵)を塩水に漬け込み、現地作業員が手作業で異物を除去し「たらこ」に加工します。その後、たらこは状態に応じて贈答用から加工用まで7段階に選別されます。
特に、やまやの高級辛子明太子ブランド「須弥山(すみせん)」には、約1%しか得られないとされる大粒でプリプリとした真子を使用しており、選別は熟練の職人による目視確認に依存していました。色合い、血筋の有無、薄皮の状態など、消費者が品質を判断する重要な要素を見極めるには、長年の経験が不可欠でした。
さらに、初期加工後に冷凍・搬送される過程でも、異物が完全には除去されず、二次加工工場では熟練作業員が再度確認・除去作業を行っており、負担が大きな問題となっていました。
また、国内外ともに人手不足が深刻化しており、特に超高級明太子の選別に対応できる職人が限られていたこと、加えてベトナム工場における人件費高騰もコスト面での課題となっていました。
ベルトコンベアと一体化したAI外観検査で裏と表を検査しました。コンベアを流れるたらこの画像をAIが解析し、付着している異物を検出します。たらこの色、形、薄皮の状態などをAIが総合的に判断し、グレードを分類します。熟練作業員が無意識に行っていた複雑な判定基準も、AIの学習と評価を繰り返すことで明確化され、モデルに落とし込まれています。
約2,000枚の学習用画像で訓練されたAIプロトタイプが、人間の作業よりも約10%高い精度で検査・判定を実現しました。たらこの異物検査(微小な生物や腹膜の残渣などの除去)と、贈答用から加工用までのグレード判定の工程にAIが活用されたことで、作業員の負担技術継承もできました。
AIによる客観的な判断により、品質のばらつきを抑え、安定した品質の製品供給が可能になります。
将来的には、新設工場への本格導入を通じて製造ラインの人件費を現在の50%以下に削減することを目指します。さらに、工場間の原料搬送をなくすことで在庫量を減らし、商品出荷までのリードタイムを大幅に短縮することも期待されています。
出典:IBMジャパン株式会社公式サイト.「株式会社やまやコミュニケーションズ.https://www.ibm.com/jp-ja,(引用日2025-04-24)
出典:TVh北海道ニューズ Youtube.AIが特上タラコを見抜く 明太子やまやが開発 熟練技を機械化(LBS10/19放送TVQ制作).https://www.youtube.com/,(引用日2025-04-24)
ニチレイフーズは、主力製品である『本格炒め炒飯®』にAI外観検査を導入しました。従来は、人の目で焦げを検知して除去する作業を行っていましたが、労働力不足や作業精度の維持といった課題に対応するため、AIとロボットを連動させた検査装置を開発しました。
ニチレイフーズでは、炒飯製造工程において、人の目で焦げをチェックし除去する作業を行っていましたが、焦げた部分の判別が非常に難しいという課題がありました。
米粒、卵、焼豚など、具材ごとに焦げた際の色や見た目が異なるため、経験豊富な作業員であっても焦げの見逃しや判断のばらつきが生じていました。さらに、焦げた炒飯の除去は長時間にわたる作業となり、作業員の集中力が低下して精度が落ちることも問題となっていました。
炒飯の製造過程では油を含んだ湯気が立ち上るため、AIに画像データを送るカメラに対しても、曇り防止や耐熱対策が必要でした。カメラが曇ると画像の精度が低下し、AIによる正確な判別が難しくなってしまうため、これに対応するための工夫も求められていました。
また、炒飯に含まれる具材の量の偏りも課題となっており、米粒、卵、焼豚など異なる形状の具材が均等に入っているかを人の目でチェックしていましたが、瞬時に正確な割合を判断するのが難しく、品質の安定に課題を抱えていました。さらに、人手不足や作業者間の技術差、ノウハウの伝承の難しさも大きな懸念事項でした。
ニチレイフーズでは、これらの課題を解決するために、AIとロボットを連動させた外観検査技術を開発・導入しました。炒飯の製造ラインにはカメラを設置し、炒飯から立ち上る油を含んだ湯気による影響を抑えるために、取り外し可能な透明樹脂カバーや冷風機を設置し、常に鮮明な画像を撮影できる環境を整えました。撮影された画像データからAIが焦げた部分を自動で認識し、ロボットアームがピンポイントで焦げを取り除く仕組みを実現しました。
AIには、米粒、卵、焼豚それぞれの焦げ具合を判別できるよう、数百枚に及ぶ焦げ混じりの炒飯の画像を使って学習させました。焦げを過剰に除去してしまうと食品ロスに繋がるため、適切な除去基準を設定し、学習内容を何度も調整することで、正確な判別が可能となりました。半年以上にわたる試行錯誤の末、焦げた部分を高い精度で認識・除去できるようになり、作業員に代わって一貫した品質管理を実現しています。
さらに、炒飯に含まれる具材の量の偏りを検知する機能もAIに搭載されました。卵や焼豚など、異なる具材の割合をリアルタイムで自動検出し、異常を検知した際にはアラートを出して前工程の設備確認を促す仕組みを導入。これにより、製品の品質を維持しながら、不良品の発生を未然に防ぐ体制が整いました。
これらの取り組みによって、長時間作業に伴う人の集中力低下を防ぎ、省人化と品質向上の両立が可能となりました。AIによる焦げの正確な除去と、具材の偏り検知は、ニチレイフーズが展開する『本格炒め炒飯®』のさらなる品質向上と、安定供給に大きく貢献しています。
また、AI導入の背景には、労働力不足への対応、働き方改革推進、作業の標準化や技術伝承の課題を乗り越えるという、将来を見据えた企業戦略もあります。
出典:ニチレイフーズ公式サイト.『本格炒め炒飯®』の品質やおいしさを支える最先端のAI技術をレポート.(2024.11.14 ).https://www.nichireifoods.co.jp/,(引用日2025-04-24)
省人化と作業精度向上を目指して、AIを活用した鶏肉の血合い・羽根除去技術の開発に着手しました。特殊なカメラで撮影した画像にブラックライトや画像補正を用いて異物を際立たせ、AIに学習させることで高精度な判別を実現しました。
カメラ撮影、AIによる判断、自動除去の3ステップをすべて自社で設計・開発し、近畿大学との共同研究も行いながら技術を確立しました。さらに、現場に導入後もブラッシュアップを続けています。
ニチレイフーズでは、鶏肉加工工程において血合いや羽根などの夾雑物を人手で検査・除去していました。しかしこの作業は立ち仕事による重労働であり、作業の質も個人のスキルに依存してばらつきが発生していました。また、問題ない部分まで取り除いてしまうフードロスも課題となっていました。
少子高齢化による人材確保の難しさや、働き方改革による労働時間の制限もあり、従来の手法では今後の対応が困難になる懸念がありました。
2019年より工場に順次導入され、従業員の作業負荷が大幅に軽減。血合い・羽根除去作業の自動化により除去量を約70%削減し、フードロス削減にも貢献しました。技術はさらに進化し、『本格炒め炒飯®』の焦げ除去装置にも応用しました。良品を不良品と誤認する割合が大幅に低減され、製品廃棄率も約半減しました。
出典:ニチレイフーズ公式サイト.AI活用で鶏肉検査を自動化! 未知の領域に挑んだ装置開発.https://www.nichireifoods.co.jp/,(引用日2025-04-24)
カゴメは、ダイストマトの夾雑物除去システムとトマトのAI選果機の2つがAI外観検査が稼働しています。
カゴメ茨城工場では、AIを活用してダイストマト(皮を剥いてダイス状にカットしたトマト)に混入した夾雑物を除去するシステムが2021年11月から本格稼働していいて、AIがダイストマトの画像から夾雑物(トマトの変色部、皮、ヘタなど)を判別します。
生鮮トマトのAI選果機は、生鮮トマトの外部および内部品質を非破壊で検査するAI選果機を共同開発し、2024年4月から運用を開始しました。
トマトソースやサルサなどの加工品製造工程では、ダイストマトに混入する皮やヘタといった夾雑物を除去する作業が求められており、この工程には熟練作業員による高い集中力が必要とされていました。
将来的な労働力不足を見据え、これらの作業を自動化することが急務となっていました。生鮮トマトにおいては、収穫時には外観上問題がないにもかかわらず、流通過程で品質が劣化し、消費者に届ける前に廃棄せざるを得ない「潜在的な品質不良」が課題となっていました。この潜在的な品質不良を取り除かないと、わずかな酸味や異臭、風味が落ちる可能性があり、品質が落ちます。
人の目による検品では、このような見た目に表れない不良を見分けることが難しく、多くの廃棄ロスが発生していた状況でした。
加工工場では、AI画像判定サービスとロボット技術を組み合わせた夾雑物除去システムを導入し、個体差のあるトマトに対しても高精度で夾雑物を検出・除去できるようになりました。これにより、製品品質の安定化とともに、省人化による持続可能な製造現場の構築が実現されています。
また、生鮮トマトの選果工程では、AIを搭載した選果機を導入したことで、果実一つ一つの外部・内部品質をカメラやセンサーで非破壊で検出できるようになり、傷や色味など20項目にわたる品質データを詳細に収集できる体制が整いました。
このデータを栽培・流通情報と連携させることで、潜在的な品質不良を予測・防止する技術の開発が進み、廃棄ロスの大幅な低減が期待されています。
出典:カゴメ公式サイト.AI を活用したトマトの夾雑物除去システムを開発.(2024 年 12 月 18 日).https://www.kagome.co.jp/,(引用日2025-04-24) 出典:カゴメ公式サイト.生鮮トマトの廃棄ロス低減を目指して、コンソーシアムを形成し、 品質不良を防ぐ栽培技術と流通システムを開発・実証.(2021 年 11 月 1 日).https://www.kagome.co.jp/,(引用日2025-04-24)
「フルーツで世界の人を幸せにする」というビジョンのもと、ジャム業界をリードするアヲハタ株式会社様は、ゼリー製造工程における品質管理の高度化と省人化を目指し、AI外観検査システムを導入されました。
アヲハタ株式会社様では、カップゼリーの製造工程におけるシール(溶着)検査において、以下のような課題を抱えていました。
果物の繊維がシール面に噛み込むと液漏れのリスクがあるため、従来は人の目で厳密にチェックする必要があり、作業者の負担が大きかった。また 工場の立地や繁忙期などの影響による人手不足が慢性化しており、検査工程に十分な人員を配置することが困難でした。
そして、ゼリー表面に発生する微細な気泡や果物の繊維などの検出は、10年以上前から品質管理上の課題でありました。透明感のあるゼリーに気泡や繊維があると、これは濁って見えたり、異物が混入しているように感じられたりして、商品の魅力が大きく損なわたり、食感が変わったりと品質上の問題がありました。消費者は、気泡や繊維の混入を見て、製造工程での管理が不十分ではないか、あるいは品質に問題があるのではないかと疑念を抱く可能性がありました。
しかし、ルールベースの画像検査では誤検出が多く、抜本的な解決策が見出せていなかった。
噛み込みしている部分を囲むだけで学習が可能で不良品としてAIに教えて検出することができました。
従来のルールベース検査では困難であった、微細な気泡や果物の繊維などの不良を高精度に検出することが可能となり、製品の品質向上に大きく貢献した。
また、シール不良の目視検査工程において、人員を2名から1名へと削減することに成功し、50%の工数削減を達成しました。AIによる自動検査により、作業者の目視検査の負担が軽減され、操作の簡便さや高い検査精度が現場から高く評価されています。特に、不良箇所を囲むだけでAIが学習するという直感的な操作性が好評を得ていています。
加えて、コンパクトな装置設計により、限られたスペースへの設置が容易であった点と、撮像環境の構築から搬送・検査・排出装置の一式導入により、スムーズなシステム導入が実現した。
出典:Vrain solution株式会社公式サイト.アヲハタ株式会社様 .(2019年3月27日 ).https://vrain.co.jp,(引用日2025-6-11)
富士倉庫株式会社は、世界中の農作物の選別業務を受託している倉庫会社です。特にアーモンドの選別作業において、従来主流だった色彩選別機では、「形状不良(ダブル、欠け、ワレ)」、「虫ズル(虫食い跡や虫が這った跡)」、「殻つき」、「樹脂異物(プラスチック片)」といった、アーモンドの身と色が類似している不良品や異物を識別することが困難でした。
このため、色彩選別機で検出できない不良品は、熟練作業員による手作業に頼らざるを得ず、人手不足が深刻化する中で、選別品質の維持が課題となっていました。また、手作業による選別は作業員の熟練度や体調によって品質にばらつきが生じ、生産性向上の妨げとなっていました。
特に小さくて不良検出が難しいアーモンドの選別作業は、目の疲労など作業負担が大きい業務となっていました。さらに、各ロットごとの不良の種類や発生頻度の情報を集計・分析することが難しく、原料供給元ごとの品質管理や改善活動が困難でした。
富士倉庫株式会社はAI外観検査装置を導入したことで、従来の色彩選別機では検出が難しかった「殻つき」「殻ささり」「ダブル」「樹脂片」「虫ズル」といった不良品を、100%の検出率で正確に判別できるようになりました。熟練作業員でなくても高精度な選別が可能となり、検査品質の安定化を実現しました。自動化による選別によって作業負担が大幅に軽減され、省人化も達成されました。
また、検出と取り除きまで自動で行えるため、さらなる人手削減にも貢献しました。
さらに、各ロットごとの検査情報が集計できるようになり、不良の種類や発生頻度の傾向を把握し、原料供給元ごとの年度別品質管理が可能になりました。高い検査品質が評価され、流通加工における選別業務の新規受注にもつながりました。
出典:株式会社ロビット PR TIMES.【AI導入事例】ロビット、ナッツなど農作物の外観検査自動化を進めるAI外観検査装置「TESRAY Gシリーズ」を富士倉庫社の実生産ラインに導入。.(2023年11月8日).https://prtimes.jp/,(引用日2025-04-24)
月島食品工業株式会社は、1948年創業の老舗食品メーカーで、食用加工油脂を主力製品としています。その製品ラインナップの中でも、マーガリンは重要な位置を占めています。月島食品工業はフィルム包装マーガリンの外観検査をAIに代替するシステムを開発・実装することに決定しました。
具体的には、搬送中のマーガリンの天面と両端面をカメラで撮影し、その画像データをAIが解析することで、フィルムの折込部分の折れや噛み込み、天面へのマーガリン付着といった不良を自動的に検出します。
NGと判定された製品は、既存の排除機構と連携して自動的にラインから取り除かれます。まずは1ラインに導入し、人の目視検査と同等以上の精度で、かつ新たな検査項目にも柔軟に対応できることを目標としています。
日本の製造現場が共通して抱える高齢化と人手不足は、月島食品工業においても深刻な課題でした。特に、フィルム包装マーガリンの外観検査工程においては、マーガリンの温度調整などで、製品ごとにわずかな個体差が生じるため、検査基準の標準化が難しく、熟練検査員の目視に頼らざるを得ない状況でした。
またフィルムが噛み込んだ部分から空気が侵入し、食品の酸化や品質劣化を早める可能性があり品質管理の面や完全に密封できず、液体や粉末などの内容物が漏れ出す可能性でも懸念されていました。
しかし、長時間の目視検査は検査員の負担が大きく、数年後の人手不足も懸念される中、省人化と自動化が急務となっていました。また、ロットや製品によって微妙に変化する合否基準、いわゆる「あいまいさ」への対応は、従来の画像処理技術では限界があり、自動化の大きな障壁となっていました。
このAI外観検査システムの導入により、以下の効果が期待されています。目視検査に費やされていた人員を削減し、人手不足の解消に貢献します。
AIによる客観的な判断により、人的ミスを減らし、安定した高品質な製品の出荷を実現します。また長時間におよぶ目視検査から検査員を解放し、作業負担を軽減します。今後、新たな不良項目が発生した場合でも、AIの学習によって迅速に対応することが可能になります。
不良品の早期発見と自動排除により、後工程への不良品流出を防ぎ、製造ライン全体の効率化に繋がります。
出典:フツバー公式サイト.食品製造業の人手不足解消へ!マーガリンフィルム検査におけるAI活用事例.(2024/04/23).https://hutzper.com/,(引用日2025-04-24)
食品工場にAI外観検査が導入されると、検査精度が安定し、作業者による品質のバラつきが解消されます。これにより、常に一定の品質を維持できるようになり、熟練検査員への依存も減少して、人手不足への対応が可能になります。
これまで食品工場の自動化は、個体差の大きさや人間の感覚に頼る場面が多く、難しいとされてきました。しかし近年、AI技術の進化によって、外観検査の自動化が実現しつつあります。依然としてAIに不良品を学習させるには大量の画像データが必要ですが、大量生産・大量販売を行う食品工場にとっては、効率化とコスト削減が重要であり、AI導入は大きなメリットとなります。
AIが一つ一つの商品を確実に検査できることで、品質の安定と消費者への安心提供にもつながるでしょう。
また、AIによる検査は作業者の負担を大幅に軽減し、長時間の集中作業による疲労やヒューマンエラーを減少させます。その結果、検査スピードが向上し、コスト削減や生産効率アップにも貢献します。さらに、正確な検査によって過剰な廃棄を防ぎ、フードロス削減にもつながります。
このように、AI外観検査の導入は、食品工場の現場に大きな変化と数多くのメリットをもたらします。